W杯配信で赤字転落も手応え「ABEMAの価値を飛躍させた」–サイバーエージェント決算

東京, 1月26日, /AJMEDIA/

 サイバーエージェントは1月25日、2023年9月期 第1四半期(10〜12月)決算を発表した。連結売上高は前年同期比2.1%減の1675億円、営業損益は12億円の赤字となった。

 赤字の主な要因はABEMAを含むメディア事業だった。同事業の売上高は334億円で、前年同期比34%増だった一方、営業赤字は前年同期の55億円から拡大し、93億円となった。

 この要因について、同社で代表取締役社長を務める藤田晋氏は「『FIFA ワールドカップ カタール 2022』(ワールドカップ) に過去最大の投資を実施したため」とし「赤字は一過性で2Q以降は通常に戻る」と説明した。配信費用は「守秘義務がある」として明かさなかった。

 藤田氏は「ワールドカップでABEMAは大きな飛躍を遂げた」とも述べ、配信の意義を強調した。「ユーザーからも高く評価され、コンテンツホルダーや著名な出演者がABEMAに興味を持ってもらえるようになり、広告主からも非常に関心を持ってもらえる状況になった」と胸を張った。

 なお「放送してもすぐに業績に結びつくわけではない。全て無料で放送していて、広告も大会前にほぼ売り切っているので業績への即効性はない」(藤田氏)とし、ワールドカップ配信が10月〜12月期の業績を牽引しなかった理由についても触れた。

 ワールドカップ期間中、ABEMAのWAU(1週間の視聴者数)は3409万人となり、過去最大となった。また、大会終了後も前年同期比で1.4倍のWAUを維持しているという。

 藤田氏は「ABEMAの便利さ、クオリティの高さを感じてもらいたいというのがワールドカップを配信した理由だった」とし、「大会中、ユーザーから『ハイライト再生が便利』だとか『倍速再生が便利』などの声をいただき、前から提供していた機能なので『やっと気づいてもらえたか』という気持ちだ」とも付け加えた。多くのユーザーがABEMAに触れたことが、サイバーエージェント全体にとっても大きなプラスになるとした。

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