ベネチア国際映画祭 深田晃司監督 ノミネート作品に込めた思い

東京, 9月1日, /AJMEDIA/

世界3大映画祭の一つ、「ベネチア国際映画祭」の最優秀賞を競う部門にノミネートされた「LOVE LIFE」の深田晃司監督がNHKの取材に応じ、作品に込めた思いについて語りました。

日本時間の1日開幕したベネチア国際映画祭では、最優秀賞にあたる金獅子賞を競うコンペティション部門に深田晃司監督の「LOVE LIFE」がノミネートされました。

深田監督はノミネートについて「歴史ある映画祭で、憧れてきた多くの作品が上映された場所なのですごくうれしいです。ただ、『身に余る』光栄かといえば、この作品に俳優とスタッフたちが注いできた力を思えば、この場での上映にふさわしい作品になったと思っています」と映画祭に向けた意気込みを語りました。

今回の作品で、深田監督は、主人公の女性を取り巻く2人の男性のうち、1人は耳が聞こえないという設定とし、実際に聴覚障害者の俳優を起用しました。

これについて深田監督は「三角関係の恋愛模様にどう緊張感を持たせるかと考えたとき、主人公の女性と元夫にだけ手話という共通のことばを持たせ、今の夫には2人の話が分からないという状況を作り出すことでより関係が複雑になるのではと考えました」とねらいを説明しました。

そのうえで「ろう者の方と実際に話す中で、ろう者は相手の目をきちんと見てコミュニケーションしますが、私たち『聴者』は相手になれてくればくるほど顔を見ながらしゃべらなくなっていくことに気がつきました。今回の作品では目を見て話すということが物語の一つの大きな要素になっています」と話していました。

深田さんは作品のテーマについて「毎回、自分にとって普遍的なモチーフを手をかえ品をかえ描いてきました。そのモチーフとは人間はいつか死ぬということと人間は孤独であるということだと考えています。日常で直面する孤独は、家族や恋人、友達と一緒にいてもふと感じてしまうもので、その瞬間が描ければ十分だと思っています」と語りました。

また、今回の作品は、歌手の矢野顕子さんの同名の曲から着想を得たということで、深田監督は「この映画を見て俳優さんの演技をぜひ堪能してほしい。監督が矢野顕子さんの歌をどれだけ好きなんだと感じてもらいたいです」と話していました。

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