東京, 11月11日, /AJMEDIA/
M4搭載「Mac mini」の驚くべきところは、より一層小さくなったことではない。M2搭載モデルよりもはるかに小さく、しかもさらに強力なM4チップを搭載しているのに、冷却性能を維持できている点だ。この新型Mac miniは手のひらに収まるサイズで、普段使いのホームオフィスコンピューターから、本格的なプロ向けのコンテンツ制作マシンまであらゆる用途に対応でき、最大で3枚の6Kディスプレイを使用できる。M4版とM4 Pro版のMac miniでは値段にかなりの差があるが、筆者が試した799ドル(日本では税込12万4800円)のM4版でも、メディアを制作したりAppleのAIツール群である「Apple Intelligence」を使ったりするのに十分なパワーを備えている。
macOS Sequoia、Apple Intelligenceと新型Mac mini
M4搭載Mac miniの発売は、最新のmacOSである「macOS 15.1 Sequoia」や、日常的な作業を手助けしてくれる、ローカルで動作する個人向けAIであるApple Intelligenceがリリースされてから間もなくのことだった(ちなみに、すべての新型Macに16GB以上のユニファイドメモリが搭載されている理由の1つは、Apple Intelligenceを使えるようにするためだ)。
Sequoiaには試してみる価値がある新しいツールがいくつか導入されたが、これらはMac miniでもすべて問題なく使えた。特に「iPhoneミラーリング」には、多くの人が興味を持っているだろう。その名前からも分かるとおり、これはディスプレイにiPhoneの画面が表示され、そこからiPhoneのあらゆるものにアクセスできるというものだ。例えば、ソーシャルアプリを開いて何かを投稿したり、通知をチェックしたりすることもできる。筆者のiPhoneは仕事用なので、Mac miniでこのレビュー記事を書いている間にも、iPhoneミラーリングを使ってメールやSlackのメッセージを読み書きしたりしていた。ただ、動作自体はスムーズなのだが、タッチスクリーンなしでタッチスクリーンを前提としたデバイスを操作することになるので、使い勝手は最高とはいえない。 一方で、Mac miniとApple Intelligenceは完璧な組み合わせに思えたし、特にホームオフィスでは役に立ちそうだった。ツールの多くは、仕事や際限のないやることリストを手早く片付けるためのものだ。例えば、メールを要約したり、返信を生成したり(「メッセージ」アプリでも同じことができる)、Siriで自然言語を使ってデバイスの設定項目を探したり、「メモ」アプリで音声を録音して文字起こしをし、そのあとApple Intelligenceでそれを要約するといったことができる。
しかし、筆者が特に気に入ったのは「フォト」アプリの2つの機能だ。1つ目は「クリーンアップ」で、これを使えば写真から人物やものを簡単に取り除くことができる。これはGoogleやAdobeなどが提供しているAIツールに似たもので、修正能力はかなり高いが、いつでも完璧に消せるわけではない(ただしそれは競合他社の製品にも言えることだ)。
もう1つのお気に入りは自然言語を使った検索機能で、探しているものを入力するだけで、探している写真を掘り起こしてくれる。筆者はカクテルのレシピを含むたくさんのレシピの写真を撮影して貯め込んでいるのだが、試しにそれを探してみたところ、「カクテル」で検索してみると、飲み物や飲み物を飲んでいる人の写真が出てきた。そこで、検索ワードに「レシピ」を加え、最後に「ウイスキー」を加えると、筆者が探していた画像を見つけることができた。しかも筆者は、写真へのタグ付けなどの作業を一切やっていなかったのにだ。整理整頓が得意なタイプの人なら、人の顔に名前を割り当てておけば、検索で非常に役に立つだろう。