KDDIの「Starlink基地局」を見学–光ファイバーを衛星回線で代替、離島のエリア化容易に

東京, 12月2日, /AJMEDIA/

 KDDIは12月1日、「Starlink 基地局」の運用を静岡県熱海市の離島で開始した。携帯エリア化が困難だった山間部や島嶼地域を中心に、全国約1200カ所に順次設置を拡大するという。

 バックホール回線とは、au基地局とKDDIネットワークを繋ぐ中継回線のことで、一般的には光ファイバーが用いられている。しかし、山間部や離島では光ファイバーの敷設が困難で、基地局を整備することが難しかった。一方、今回の取り組みでは、バックホール回線の光ファイバーからStarlink回線に置き換えることで、光ファイバーの敷設が困難な場所でも容易に基地局を整備できるようになった。

 また、ソーラーパネルと蓄電池、そして基地局を設置する電柱があれば、電気も通っていないような未開発の地域でもauエリアを構築できる。災害時に応急処置的にエリアを構築することも可能となる。

 なお、au基地局のバックホール回線には、遅延の量と揺らぎや、上りと下りの帯域容量など、いくつかの技術ガイドラインを満たすことが求められるという。Starlink基地局を検証した結果、光ファイバーを用いたau基地局と比較して遜色のない品質を確認したという。

 なお、KDDIは法人向けの衛星ブロードバンド「Starlink Business」の販売代理店契約もStarlinkと締結している。「Starlink Business」では、Starlinkの衛星通信をWi-Fiまたは有線LANでPCやスマートフォンなどの各端末に届けるのに対し、「Starlink基地局」は、Starlinkの衛星通信をセルラー回線で端末に届ける点が異なる。セルラーの回線を用いるためカバーエリアは最大数kmを確保できるほか、緊急通報を含む音声通話も使えるメリットもある。

  KDDIはStarlink基地局の提供開始に合わせて、Starlinkを活用したauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を法人や自治体向けに提供する。例えば離島のリゾート地などにおいて、容易に携帯エリアを構築できるほか、工事現場や公共機関の出張所などでセルラー接続を確保したいニーズに対応できるという。なお、スポットでの高速通信は「Starlink Business」でも十分間に合うとして、顧客のニーズに応じてそれぞれ訴求していく。

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