JALら、サウナ×テクノロジーで室内の混雑を見える化へ–「TOKYO SAUNIST」始動

東京, 2月23日, /AJMEDIA/

 日本航空(JAL)は2月20日、アクティアと高精度センサー技術やクラウド基盤などを活用した「サウナ室リアルタイム人数カウントシステム」を共同で開発したと発表した。

 JALが新たなスタートアップ事業としてスタートする事業で、デジタル技術を核とした事業開発を行うオープンイノベーションの活動拠点「JAL Innovation Lab」とテクノロジーイノベーションを強みに持つアクティアが企画・開発。サウナ室内の混雑状況やビッグデータについて、リアルタイムで温浴施設の事業者やサウナ利用者に提供する新サービス「TOKYO SAUNIST」の提供を開始する。

 サウナブームを受けて、サウナ施設が混雑していることも増えている。一般の施設では、サウナ室の扉を開けるまで混雑状況が分からないことが多いが、サウナ室内にいる人にとっては満室なのに頻繁に開けられると温度が下がるため、タイミングが悪いと嫌な顔をされることも少なくない。そうした問題を解決する試みだ。

 TOKYO SAUNISTでは、センサー周辺の距離からその場所の形状やセンサー位置の把握に活用される「3D-LiDARセンサー」をサウナ室前に設置。高精度に人を検知し、クラウドにデータを集約する。

 また、集約したデータを用いて、リアルタイムでサウナ室内の混雑状況を可視化。サウナ利用者および、施設管理者向けにアプリケーションを提供するクラウド型のサービスとなる。

なぜJALがサウナのシステムを手がけるのか?
 そもそもなぜJALがサウナのシステムを手がけるのか。これは、サウナ愛好家のJAL イノベーション推進部アシスタントマネージャー 岡本昂之氏の存在が大きいという。岡本氏はサウナ好きが高じてサウナ部を設立。いまでは470名が在籍し、社内だけではなく、157社が集う企業間のコミュニティでもあるという。

 同社では、2019年より「JALサ旅」と題し、サウナを目的に旅をするサウナツーリズムを核としたツアー商品やグッズ販売、ウェブメディア、地域プロモーションなどを積極的に展開している。それも岡本氏が手がけたもののひとつ。「『サウナ』を日本の観光産業におけるキードライバーに」というビジョンのもと、新たな日本のカルチャー創りを目指している。

 日本では2017年頃からのサウナブームにより、主に首都圏に在住する20〜30代を中心に利用者が急増。月に1回以上サウナに入る愛好家は、全国で推計1400万人以上いるとされている。

 しかし、急速かつ、継続的に利用者の拡大が進むサウナマーケットでは、「ととのいにいったのに、逆にストレスがたまる」といった声もあるほどで、特に首都圏を中心に「人気施設におけるサウナ室の混雑」が最重要課題となっている。

 サウナは、ビジネスパーソンの愛好家も多く、TOKYO SAUNISTは「サウナの時間を確かなものへ」をコンセプトとして掲げる。サウナ室の混雑状況をリアルタイムで可視化することで、利用者は事前に混雑状況をチェックし、時間帯や施設を柔軟に選択することを可能にする試みだ。

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