東京, 1月13日, /AJMEDIA/
優れたテレビ作品などに贈られるアメリカのゴールデングローブ賞で、テレビ部門の助演男優賞を「SHOGUN 将軍」で受賞した俳優の浅野忠信さんが13日都内で会見し、「今までにないほど喜び、今も喜びが続いています。自分のやりたい演技を続けていいんだと確証を得られました」と語りました。
第82回ゴールデングローブ賞で、真田広之さんがプロデュース・主演したアメリカの作品「SHOGUN 将軍」がテレビドラマ部門の作品賞などノミネートされた4つの賞すべてを受賞しました。
このうち、主人公の家臣役を演じ、テレビ部門の助演男優賞を受賞した俳優の浅野忠信さんが13日、都内で受賞を受け会見を開きました。
まず、浅野さんはゴールデングローブ賞のトロフィーを手に会場に登場し「とてもうれしいです。見ての通り、今までにないくらい喜びましたし、今も喜びが続いています」と語りました。
そして「エミー賞で助演男優賞を受賞できず、悔しくてふてくされていました。でも今回、ハリソン・フォードさんなど著名な世界的俳優が名前を連ねる中、自分の名前が呼ばれて感動しました。スピーチを事前に考えていたのに、頭が真っ白になってしまい、即興で話をしたんですがうまくいきました」と振り返りました。
作品が海外で受け入れられたことについて「コロナでみんな配信を見だし、作品を字幕で見ることにトライしていた中で、ものすごくタイミングよく送り出すことができた。アメリカの作品に出る際は英語で演じていましたが、正直、限界を感じていました。勝ち目があるとしたら、日本の台詞でアメリカ資本の作品を作れればと思っていたところに『SHOGUN 将軍』があり、日本語で演技ができれば勝てると思いました」と手応えを語りました。
また、プロデュースを担当した真田さんについて「コロナもあって大変だった現場でしたが、真田さんという強い核があったので、作品が形を生むまでの状態を保てたと思います」と話していました。
そして、受賞の意義を問われると「自分のやりたい演技、これまで信じて貫いてきた演技を続けていいんだという確証を得られました。私たち日本の作り手がさらに追求してもいいときがきたので、『もっとやりましょう』と強く訴えられればいいなと思う」と話していました。
浅野忠信さんとは
俳優の浅野忠信さんは神奈川県出身の51歳。1990年に「バタアシ金魚」で映画に初出演しました。
その後も映画を中心に活動を続け
▽是枝裕和監督の「幻の光」
▽青山真治監督の「Helpless」
▽北野武監督の「座頭市」
など、日本を代表する映画監督の作品に次々と出演。
▽三池崇史監督の「殺し屋1」では金髪で顔に傷のあるヤクザ役が話題となり、海外でも人気を集めました。
2008年に主演を務めた「モンゴル」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたあと、2011年に「マイティ・ソー」でハリウッドデビュー。
その後も「47RONIN」や「沈黙 -サイレンス-」など、ハリウッド映画に出演し続けています。
2015年には黒沢清さんが監督を務めた主演作の「岸辺の旅」がカンヌ映画祭の「ある視点部門」で監督賞を、翌年にも主演作の「淵に立つ」が同じ部門で審査員賞を受賞するなど、国際的にも活躍する日本の実力派俳優として広く知られています。
今回、ゴールデングローブ賞のテレビ部門で助演男優賞に選ばれた「SHOGUN 将軍」では、真田広之さん演じる主人公の家臣役で出演し、自身の出世や保身のために裏切りを繰り返す武将を好演しました。