東京, 12月10日, /AJMEDIA/
水戸市で行われていたG7=主要7か国の内務・安全担当相会合は、最終日の10日、各国で被害が急増している組織的な詐欺への対策や、生成AIのリスクに対して一致して取り組むことなどで合意し、共同声明を採択しました。
8日から水戸市で行われていたG7内務・安全担当相会合は、最終日の10日、共同声明を採択しました。
今回の声明で主要な項目の1つとなったのが、国境を越えて行われる組織的な詐欺への対策です。
イギリスでは、組織的な詐欺の年間の被害額が日本の特殊詐欺の去年1年間の被害額の11倍にあたる4100億円余りにのぼるほか、アメリカではインドなど南アジアの「コールセンター」を拠点にした詐欺で、年間1400億円余りの被害が出ています。
こうした被害の抑止のため、各国が連携して取り組んでいくことで合意しています。
また、急速に進展している生成AIのリスクへの対応も話し合われました。
共同声明では、犯罪やテロに生成AIの技術が悪用される可能性があることを各国が認識した上で、最新の情報を共有し、捜査機関の能力向上や、産業界との連携強化を進めるとしています。
このほか共同声明には、
▽児童ポルノなど、子どもの性の搾取の問題への取り組みとして、SNS事業者などに子どもを守るための機能の整備などを促していくこと
▽経済安全保障の観点では、政府機関や企業から先端技術や情報が流出するのを防ぐための連携強化などが盛り込まれました。
特殊詐欺 去年の被害額 日本では371億円
日本では20年ほど前から広がり始めた特殊詐欺の被害。去年1年間の被害額は371億円にのぼっています。
一方、G7内務・安全担当相会合では被害が拡大している各国の状況も明らかになりました。
イギリス
中でも深刻な被害が報告されたのはイギリスです。
SNSで外国人をかたり、恋愛感情を抱かせて金銭をだましとる「国際ロマンス詐欺」など被害の総額は23億ポンド。
日本円に換算すると4100億円余りにのぼり、詐欺の7割は国外のグループによるものと分析されているということです。
アメリカ
アメリカでは、パソコン画面に「ウイルスに感染した」などとうその警告を表示させ、海外のコールセンターに電話をさせて金銭をだましとる手口が広がり、年間の被害額は10億ドル。
日本円で1400億円余りにのぼるとされています。
コールセンターは、南アジア、特にインドを拠点にしたものが多く、FBIがインド警察と協力して撲滅を進めているということです。
その他の国
▽このほか、フランスでも「国際ロマンス詐欺」などで、深刻な被害が続いています。
▽ドイツでは、高齢者を狙った架空請求の詐欺が相次いでいて、トルコから電話がかけられているケースが多いとされています。
▽イタリアでも、日本の「還付金詐欺」に似た手口の詐欺などで、
▽また、カナダでは、警察官や親族をかたるなど日本の特殊詐欺と似た手口がみられ、それぞれ多額の被害が出ているということです。