東京, 5月25日, /AJMEDIA/
F1アゼルバイジャンGP主催側は、今季の開催に先立ち、サーキットのピット入口に変更を加えるようだ。
2016年に初開催されて以来(2016年はヨーロッパGPとしての開催)、アゼルバイジャンGPのバクー市街地サーキットではピットレーン入口のシケイン形状や、トップスピードからピットインのため急減速を行なうことから到達時の車速が議論されてきた。
そして昨年、元F1世界チャンピオンであり、2016年にバクーで勝利を挙げたニコ・ロズベルグがF1カレンダーの中でも最恐のピット入口のひとつと評したことで、その危険性が取り沙汰された。
「ここでマシンの何かしらが壊れたと想像してみてほしい」
そうアゼルバイジャンGPのプレビュー動画の中でロズベルグは語った。
「時速350kmで走っているんだ。左手にはただの壁があって、自分に向いている。何かが壊れて、その壁に向かっていってしまったらお終い。この世にはもういないよ」
「F1マシンをドライブしてきたところの中でも、最も怖い場所のひとつだ。あそこを走り抜けるのは、とんでもなく間違っていると感じるんだ。でもそれを克服していくしかない」
その昨年のアゼルバイジャンGP決勝レースでは、ロズベルグの予言通り、この付近でランス・ストロール(アストンマーチン)とトップ周回中のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のタイヤがバースト。幸い、マシンはピット入口で”串刺し”にならずに済んだものの、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は「ラッキーだった」とそのクラッシュを振り返っている。
FIAは当時サーキットデザインについて変更する理由はないと考えていたものの、今季の開催に向けて微調整が行なわれることなった。
アゼルバイジャンGPのプロモーターを務めるアリフ・ラヒモフは5月16日(月)、サーキットの安全性を向上させるためにピット入口を改修することを明らかにした。
motorsport.comから今年のサーキットの変更点について尋ねられたラヒモフは次のように答えた。
「ピットの入口を少し変えている」
「コース自体に変更はないが、FIAからピット入口を少し変更し、より安全にするようにと要請があったのだ」
「どうなるか見てみよう。ドライバーは通常、ピットへの進入でミスをたくさん犯すことはないからね」
またラヒモフは、コースに関する具体的な変更点はないとしながらも、車高が低い現行のF1マシンでは厄介となる縁石に関しては週末の状況を見て修正すると語った。
「旧市街地エリアへ続くコーナー、狭いセクションでは、走行初日から縁石で試行錯誤することとなる。追加するか、それとも取り外すか、また付け直すか……マシンが実際に走ってみるまで分からないモノなのだ」
F1スプリントへの前向きな姿勢
アゼルバイジャンでのF1開催契約は2024年で満期を迎えるが、ラヒモフは契約延長の話し合いはまだ行なっていないという。
ただ彼が特に熱望しているのが、来季予定されている6つのスプリントの1回をアゼルバイジャンで行なうということ。彼は、6月10〜12日に予定されている今季のアゼルバイジャンGPで、その件に関してF1の首脳陣と話し合いを行ないたいと考えているようだ。
「それが今年のレースでの私の宿題だ」と彼は言う。
「F1は今忙しいから、彼らの関心を惹き付けるには、ここで実際にレースをしているときがベストだと思う」
「私は(スプリントに)大賛成だ。このアイデアをとても気に入っている。1年を通じて様々なことを少しずつ混ぜていくのは良いことだと思う」
「同じ方法に慣れすぎると退屈だし、興味も失せる。だからこういった変化があることは、スポーツにとっても良いことだと思う」