東京, 5月17日, /AJMEDIA/
1つであらゆるデバイスのゲームに対応できるコントローラーを目指して作られたのが、「Backbone Pro」だ。実際、この製品はさまざまな場面で幅広く使えるが、価格は170ドル(日本では税込2万9700円)とかなりお高めになっている。
筆者が評価で使ったのは「iPhone」版のアプリだったが、「Android」にも対応している。
初代の製品である「Backbone One」(現在も入手可能)は、スマートフォンに装着して使う設計になっており、ワイヤレス接続機能やバッテリーを内蔵する必要はなかった。一方、Backbone ProはBluetoothとバッテリーを内蔵しており、一般的なBluetoothコントローラーと同じように単体でも使用できる。Backbone Proは、初代と同じ使い方を新たに「ハンドヘルドモード」と名付け、Bluetooth接続で単体で使用する「ワイヤレスモード」とは区別している。
これが、この2つのコントローラーの大きな違いだ。Backbone Proでは設計が大きく変更されており、新機能に対応するとともに、高級感が上がっている。古いiPhoneを使っている人には残念だが、この製品はUSB-Cにしか対応しておらず、Lightningコネクタ版は存在しない(このため、ハンドヘルドモードは「iPhone 15」以降でしか使用できない)。
Backbone Proの発売に合わせて専用アプリもアップデートされ、「Backbone+」のサブスクリプションサービスでしか利用できなかった一部機能も無料で利用できるようになったため、コントローラー自体の価値も上がった。
Backboneの最高経営責任者(CEO)を務めるManeet Khaira氏は、発表前のブリーフィングで、同社のゲーミングに対する取り組みの哲学について以下のように語った。「私たちは将来的に、(中略)デバイスを1台買うだけで、どの画面でもゲームを遊べる世界を作ろうとしている。それが実現すれば、ゲーム機を持っていない子供でも、家のテレビで『フォートナイト』をプレイできるかもしれない。家電量販店で買ったテレビでもゲームができるようになるのだから。私たちのゴールは、あらゆる画面で使える1つのデバイスを作って、どの画面でもゲームをプレイできるようにすることだ。そうすれば、もっと多くの人がゲームを遊べるようになり、ゲーム市場も拡大する」
ただし、同氏が夢見る世界を実現できるかどうかはソフトウェア次第であり、ゲームランチャーやゲームサービスが群雄割拠する中、一番難しいのがその部分だ。Backbone Proは優れたハードウェアだが、競合するコントローラーはいくらでもある。
オーソドックスで手に馴染むデザイン
第1世代のスマートフォン用コントローラー(Backbone Oneを含む)が抱えていた問題の1つは、できる限り小さく設計されていたことだ。そのため、使った時の感触や機能が犠牲になることが多かった。Backbone Proも小さめに作られてはいるが、プレイヤーが求めている多くの要素が復活している。これには、しっかり握れるグリップや、フルサイズのサムスティック、背面ボタン、ホールエフェクト式のトリガーボタンなどが含まれる。
Backboneはまた、ABXYボタンの接点をカーボンピル式に変更し、Backbone Oneのクリック感のあるボタンから、より静かで滑らかな押し心地のボタンに切り替えた。こちらのボタンの方がストロークが深いため、若干応答が悪くなったようにも感じたが、筆者はボタンを強く押すタイプであるため、しばらく使っているうちに慣れてしまった。ローカルでプレイしたゲーム(スマートフォン用の「Carrion」や「Hades」などのアクションゲームをプレイした)では遅延はほとんど感じなかったが、ワイヤレス接続では、時々ラグを感じた(Macでプレイした「Lies of P」や、iPadでプレイした「Dead Cells」など)。Bluetooth接続ではラグが大きく改善されるが、完璧とは言えない。ただし、もしそれが問題になるようなら、有線接続するという選択肢もある。