2万年前のシカの歯のペンダントから女性のDNA 新手法で抽出

東京, 5月5日, /AJMEDIA/

およそ2万年前にシカの歯で作られたペンダントに含まれるDNAをドイツなどの研究チームが開発した新しい手法で分析したところ、旧石器時代の女性がこのペンダントを身につけていた可能性があることがわかりました。研究チームはこの手法が、遺伝情報から出土品の所有者などを詳しく知る手がかりになるとしています。
これは、ドイツなどの研究チームが、3日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。

研究チームは、特殊な液体に浸してゆっくりと温度を上げることで出土品を壊さずに内部からDNAを抽出する手法を新たに開発しました。
この手法でシベリアのデニソワ洞窟から見つかった、およそ2万年前のシカの歯でできたペンダントからDNAを抽出し、詳しく分析したところ、旧石器時代の女性のDNAが含まれていることがわかったということです。

研究チームによりますと、女性の遺伝情報は当時、シベリア東部に住んでいた民族のものに近く、ペンダントを着用していたか、製作した可能性があると推測しています。

石や骨で作られた古代の出土品には、当時の人類のDNAが含まれ、所有者などを分析できる可能性が以前から指摘されてきましたが、従来の方法では、出土品そのものを壊さないとDNAを取り出せないことなどから、研究は進んでいませんでした。

研究チームはこの手法が、遺伝情報から出土品の所有者の人物像や当時の文化を詳しく知る手がかりになるとしています。

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