GW明け移行、期待と懸念 観光地「遅い」と不満も―新型コロナ「5類」

東京, 1月28日, /AJMEDIA/

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを5月8日に「5類」に引き下げることが27日、正式に決まった。大規模イベントの収容人数規制も撤廃され、期待の声が聞かれる一方、観光地からは「遅い」と不満も。医療機関からは感染拡大を懸念する声が上がった。
 観光名所として知られる京都・嵐山。土産物店などが立ち並ぶ嵐山商店街の石川恵介会長(53)は「歓迎だ」としつつ、移行が大型連休明けとなったことに「遅い。今すぐやってほしい」といら立ちを隠せない。「あぶらとり紙」で有名な「よーじや」嵯峨野嵐山店の店員、星徳杏奈さん(27)も「感染予防のためだと思うが、4月中だとよりありがたかった」と打ち明けた。
 この日、横浜アリーナ(横浜市)で開かれたコンサートには大勢の人々が訪れた。大声での応援が可能になることに、同市の女性会社員(24)は「反応があった方がアーティストや会場が楽しくなると思うので早く声を出したい」と期待する。同市の高校2年の女子生徒(17)も「油断して今より感染者が増えるのは怖いが、これまでいろいろなものが制限されてきたのでうれしい」と話した。神奈川県座間市のパートの女性(50)は「まだ終息していないので声出しは早いと思う」と心配そうだった。
 これまでコロナ患者に対応してきた医療機関からは懸念の声が聞かれた。「いとう王子神谷内科外科クリニック」(東京都北区)の伊藤博道院長は「4月に引き下げるよりはましだが、これまでの措置をどう変えるか不安だ。保健所がやっていた入院調整を医療機関が個別に行うのは難しい」と指摘した。
 「はなはた羊クリニック」(足立区)の岸洋二院長は「コロナ患者の受け入れを拒否する医療機関は多く、感染対策に慣れていないとクラスター(感染者集団)が発生する可能性がある。感染状況が悪化したら引き下げを延期したり、医療費を公費で負担したりするなど柔軟な対応が必要だ」と訴えた。

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