CFE条約破棄へ ウクライナ巡りNATOに対抗―ロシア大統領

東京, 5月11日, /AJMEDIA/

ロシアのプーチン大統領は10日、欧州通常戦力(CFE)条約を破棄する法案を下院に提出した。ロシアは既に、北大西洋条約機構(NATO)との対立を踏まえ2007年からCFE条約の履行を停止しており、条約は死文化していた。昨年2月からのウクライナ侵攻を巡り関係が悪化するNATO加盟国に対し、ロシアがさらなる強硬措置を取った形だ。
 10日の大統領令によると、プーチン氏はCFE条約の破棄問題に関する上下両院の審議を担当する大統領代表にリャプコフ外務次官を任命した。
 通常戦力ではNATOが優位に立ち、ロシアは核戦力が頼みの綱。プーチン氏は今年2月、米ロ間に唯一残る核軍縮の枠組み、新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止も表明している。
 CFE条約は、戦車をはじめとする通常兵器の保有数を制限し、欧州の東西両陣営で均衡を図るために1990年に署名。しかし、冷戦終結に伴うワルシャワ条約機構の消滅やNATOの東方拡大といった情勢変化を受け、99年に修正する条約が締結された。
 プーチン政権は14年にウクライナ南部クリミア半島を一方的に「併合」した後、15年にCFE条約に関する協議から離脱すると発表した。

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