48歳武田、海の森で存在感 大学職員とボート競技両立

東京, 5月20日, /AJMEDIA/

 15日まで海の森水上競技場(東京都江東区)で行われたボートの全日本選手権に、48歳の武田大作(愛媛大黒汐会)が、今年も元気な姿を見せた。五輪5大会を経験し、2000年シドニー、04年アテネ両大会で男子軽量級ダブルスカル日本勢最高の6位入賞。全日本の男子シングルスカルで14度の優勝を誇る大ベテランは「この年まで緊張感を持って戦えるのは楽しい」と現役へのこだわりを口にした。
 今回の第100回記念大会は、東京五輪で使われた会場で初開催された。武田は男子シングルスカルで上位6人が進めるA決勝には残れなかったものの、9位に入った。「疲労が抜けない。年には勝てない」と苦笑いしつつも、存在感を示した。
 東京五輪代表入りを逃し、所属先を退社。母校・愛媛大の職員となり、現在は農学部の技術員を務めながら競技を続ける。仕事で山林の調査や管理、木材の伐採、観察会などのイベント企画をこなす一方、ミカン畑がある実家の農作業も手伝い、瀬戸内海に出ては練習や選手の指導に携わる。「山と海の往復。休みはない」と言う日々を過ごしながら「衰えは感じるけど、ボートは好きだし、続けていきたい」と思いは揺るがない。
 選手の立場だったが、東京五輪のために海の森水上競技場を整備することには反対だった。「ボートにお金がたくさんかかると思われたくなかった」と振り返るが、今は「造った以上は有効活用しないといけない。それがボート界の責務」と考える。後輩の日本代表に向けては「トップを取る目標を明確に持ってほしい」とエールを送った。

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