14歳・張本美和、段違いのジュニア制覇 全日本卓球

東京, 1月27日, /AJMEDIA/

 全日本卓球選手権大会第4日は26日、東京体育館で行われ、ジュニア女子で張本美和(木下アカデミー)が優勝し、2018年の兄・智和(IMG)と同じ14歳で全日本ジュニアを制した。男子は萩原啓至(愛知・愛工大名電高)が中学3年の松島輝空(木下アカデミー)に競り勝って初優勝。松島は3年続けて決勝で涙をのんだ。
◇一般でも目標は優勝
 張本はジュニアでは順当な優勝だが、前回は昨年の世界選手権団体戦代表にもなった木原美悠(エリートアカデミー)に敗れており、これが初優勝。「本当にうれしいです。向かっていく気持ちを忘れずに頑張れました」と素直に喜んだ。
 決勝の相手は小塩悠菜(神奈川・星槎中)。シェークハンドのラケットをペンホルダーのように、かつ浅く握る変則グリップの選手で、昨年9月の世界ユース選手権代表選考会以来の対戦だった。第1ゲームを落としたが、落ち着いて3-1(9-11、12-10、11-3、11-4)で下した。
 「お兄ちゃん(の14歳)より遅れなくてよかったです」というが、もう「張本の妹」として見られる存在ではなくなった。昨年は国際大会で元五輪代表のフェン・ティアンウェイ(シンガポール)や中国ナショナルチームの若手も倒している。今年の全日本は、一般の部でどこまで勝ち上がれるかが注目されるレベル。
 その一般シングルスもスーパーシード(32人)の1人として、この日の4回戦から登場。初戦は阿部里歩(豊田自動織機)を4-0で下した。「(ジュニア決勝の後で)あまり時間が空いていなかったので、うれしさはいったんしまって、切り替えました。でもジュニアで勝った自信もあって勝てました」
 一般でも「目指すのは優勝」という。27日の5回戦は芝田沙季(ミキハウス)と対戦し、勝てば次は早田ひな(日本生命)と当たりそうなブロックにいる。
◇男子は萩原が初∨、松島またも決勝で涙
 男子の萩原は決勝で松島に3-2(11-6、7-11、12-10、6-11、12-10)で競り勝った。
 左同士。萩原がフォアドライブで攻め、松島が強力なバックハンドとラリー力で応じる展開で、最終ゲームももつれた。萩原が9-8とリードすれば、松島が3球目をフォアドライブで強打して追いつき、続いてバックハンドレシーブで逆コースを突いて先にマッチポイントを迎える。
 しかし、ここから萩原が攻めた。フォアドライブの連打でジュースに持ち込み、バック対バックを押し切って11-10。最後は3球目をフォアでストレートへ打ち抜いた。
 高2の萩原はこれが最後の全日本ジュニアになる。これまでシングルスでは目立った実績がなく、大会前は「本来のプレーができるのかという不安の方が大きかったけど、折れずにジュニア優勝だけを考えられた」という。最後の場面は「自分を信じ切ることができた」と振り返った。
 相手の松島は幼い時から注目され、すでにTリーグでもプレーしている。今年は「ジュニアでは絶対に優勝する」と臨んだ。
 その分、萩原以上に勝ちを意識する場面が多かったはず。最終ゲームも8-6からバックのつなぎで3連続失点し、突き放すチャンスを逃した。高度化、複雑化する今日の卓球では、全日本ともなればジュニア世代から大人並みのテクニックが必要だが、土壇場では萩原の思い切りと攻撃力に苦杯をなめた。
 勝敗が決まると、松島は悔しそうにラケットを投げ上げ、萩原はフロアに倒れ込んで大の字に。ここまでは感情表現として分からないではないが、萩原が寝たままで両選手があいさつのグータッチを交わしたのは、残念な光景だった。
 松島は一般のシングルス初戦は難なく突破したが、ジュニアの敗戦が悔しかったのか、予定されていたインタビューをキャンセルした。

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