韓国、インド太平洋で日米と同調 中国との距離模索

東京, 5月16日, /AJMEDIA/

【ソウル時事】広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、対中国を念頭に、自由で開かれたインド太平洋の実現が議題になる。サミットに招待された韓国の尹錫悦大統領は、日米のインド太平洋戦略に同調する姿勢を見せてきた。ただ、韓国は中国と経済的関係が強く、距離感の模索が続いている。
 尹政権は昨年末、韓国初の「インド太平洋戦略」を発表。「自由なインド太平洋地域」を目指し、普遍的価値とルールに基づく秩序を強化すると明記した。韓国政府関係者はG7サミットへの参加について、「自由という価値を共有する各国との連帯を強める機会になる」と期待を示す。
 文在寅前政権とは打って変わり、尹政権は日米との連携を強化。尹氏は4月下旬の訪米中、台湾への圧力を強める中国を念頭に、「力による現状変更の試み」に繰り返し反対を表明した。
 ただ、経済界には最大の貿易相手国である中国との関係悪化に懸念もある。尹氏も訪米後には記者団に「韓中が相互尊重すべきだ」と語り、中国に配慮する姿勢を示した。韓国版のインド太平洋戦略でも「包容」を強調し、中国を「重要な協力国」と位置付けている。
 戦略策定に関与した朴元坤・梨花女子大教授は、「中国を完全に排除せず、ルールに基づく国際秩序を適用し、相互尊重の関係をつくる」ことが韓国の立場だと解説。日米などのインド太平洋戦略は中国への明確な問題提起が込められているが、韓国はそこまで踏み込んでいないと指摘し、「(G7との)擦り合わせが課題になる」と分析した。

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