離島防衛で「移動式桟橋」 対中念頭、自衛隊部隊の上陸迅速化

東京, 1月22日, /AJMEDIA/

 防衛省は、港湾施設が脆弱(ぜいじゃく)な離島への自衛隊の部隊展開を迅速にするため、移動式の桟橋を海上に浮かべて島への上陸を可能にする「揚陸支援システム」の開発に乗り出した。東シナ海などで軍事的活動を活発化させる中国を念頭に、南西諸島への部隊や物資の輸送能力を高める狙いがある。
 2023年度当初予算案に研究開発費として15億円を計上した。沖合に停泊した艦艇から島まで海上に浮かぶ桟橋を陸地までつなげ、人員や物資をトラックなどで輸送できるようにする。波の影響を低減し塩害にも耐えられる素材を用い、運搬や組み立てが容易な桟橋の開発を目指す。
 防衛省関係者によると、台湾海峡に近い沖縄県・先島諸島で、海上自衛隊の輸送艦が入港できるのは石垣島(同県石垣市)の石垣港、宮古島(同県宮古島市)の平良港の2カ所しかない。この他の離島に部隊を速やかに輸送する手段が課題になっていた。
 移動式桟橋が実用化されれば、港湾施設がない島しょ部への部隊展開も可能になる。防衛省は、有事以外でも台風などの自然災害が発生した際、被害を受けた島しょ部への支援物資輸送にも活用できるとしている。
 このほか、沖縄本島の陸上自衛隊沖縄訓練場(沖縄市)には、弾薬や燃料を集積する補給拠点を設ける方針。現在、最も南西諸島に近い補給拠点は佐賀県にある。沖縄本島に拠点を作り、南西諸島への燃料などの供給力を高める。

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