障害物レースをテスト 近代五種の代替種目候補

東京, 7月5日, /AJMEDIA/

 国際近代五種連合(UIPM)は6月下旬、馬術に代わる種目候補「障害物レース」のテスト大会をアンカラで実施した。障害物が九つ用意され、雲梯に似た用具にぶら下がりながら移動したり、反り返った壁を登ったりしながらゴールまでのタイムを競う形式。人気テレビ番組「SASUKE」のセットが提供されたことも話題を呼んだ。
 テスト大会には19カ国から約100人の選手が参加。UIPM公式サイトによると、女子のオリビア・ビビアン(オーストラリア)は「誰でも挑戦できる。馬術に比べれば安上がりだし、楽しい。近代五種をやりたいという障害物レースの選手がたくさん出るのでは」と好意的に語った。
 水泳、フェンシング、馬術、射撃・ランで行われている近代五種は、五輪では1912年ストックホルム大会から実施。「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる伝統競技だが、東京五輪に参加したドイツチームのコーチが馬をたたいたことが批判を受けた上、人気が振るわず五輪競技から外れる懸念があるため、UIPMは2024年パリ五輪後の馬術除外を決めた。
 代替種目の候補に選んだ障害物レースの試験実施を重ね、11月の総会で採用可否を決める予定。現役選手や元選手の中には、歴史ある競技の形を変えることに反対する声も根強くある。
 フェンシング元日本代表で現在は近代五種コーチとして指導する坂本圭右さん(自衛隊)は「興味を持ってくれる方が増えるのはいいことだ」と話し、新しい試みを前向きに評価した。一方で、日本選手は新種目の強化以前に、海外の強豪に比べて近代五種に取り組む時期が遅いと指摘。「(競技人口の)裾野が広がって、ジュニアから(トップを)突き上げられるといい」と期待した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts