閣僚会合も「中ロ」議論 G7、脱炭素で歩調乱れも

東京, 5月14日, /AJMEDIA/

19日に広島市で開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、15の関係閣僚会合が各地で開催されている。既に終了した複数の会合でも、覇権主義的な動きを強める中国やウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応が焦点となった。「中ロ」には一致した対応を取る一方、「脱炭素」では足並みの乱れが表面化した。
 先月開かれたG7外相会合の共同声明では、東・南シナ海で強引な海洋進出を続ける中国に「深刻な懸念」を示し、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認した。ロシアに対しては、ウクライナ侵攻を「可能な限り最も強い言葉で非難」し、ウクライナ全土からの即時、無条件での撤退を求めた。
 農相会合では食料安全保障の強化が議題となった。「ロシアのウクライナ侵攻が食料安保に与えている破壊的な影響を深く懸念」と明記し、農業インフラの再建を含めたウクライナ支援を用意することを申し合わせた。
 19日に開幕する首脳会合でも中国とロシアが主要議題となる。G7首脳が中ロにどのようなメッセージを発することができるか注目される。
 気候・エネルギー・環境相会合では、日本が再生可能エネルギー導入で後れを取っていることから、石炭火力発電の具体的な廃止時期を明記できなかった。脱原発を完了したドイツや再エネ導入を進める英国は「2030年までの段階的な廃止」を求めていた。
 走行中に温室効果ガスを排出しない電気自動車(EV)などの導入目標設定も見送られた。EVの普及が進んでいない日本の自動車業界への配慮が背景にある。
 デジタル・技術相会合では、人工知能(AI)が主要議題となり、適切な規制の下での活用を通じた「信頼できるAI」を目指すとの共同声明を採択した。対話型AI「チャットGPT」をはじめ活用が期待される一方、プライバシーや著作権の侵害など問題点も指摘されており、声明は「民主主義の価値を損なうようなAIの誤用・乱用に反対する」と懸念を表明した。
 閣僚会合は15日までに労働雇用相、財務相・中央銀行総裁、科学技術相、教育相、保健相の各会合・会議が行われる。残る6会合は首脳会合後の6~12月に開催される。

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