長期金利、上限超え続く 日銀と市場、攻防激化

東京, 1月16日, /AJMEDIA/

 日銀と債券市場の攻防が激しさを増している。17、18日に金融政策決定会合が開かれるのを前に、大規模緩和策がさらに縮小へ向かうとの思惑から国債の売り圧力が一段と強まり、長期金利は13日に続き、週明け16日も日銀が変動を容認する上限の0.5%を一時上回った。日銀は連日、臨時の国債買い入れを実施するなどして対抗せざるを得なくなっている。
 16日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは、一時0.510%に上昇(債券価格は下落)した。0.545%と約7年7カ月ぶりの水準まで上昇する場面もあった13日ほどではないが、依然として売られやすい状況が続き、金利は高止まりしている。
 日銀は昨年12月の金融政策決定会合で、緩和策を一部修正し、容認する長期金利の上限を従来の0.25%から0.5%程度に引き上げた。さらに、上限を上回る金利上昇を抑え込むため、0.5%の利回りで10年物国債を無制限に購入する「指し値オペ」や臨時買い入れを連日実施。13日に1日当たり最大の約5兆円分を購入したのに続き、16日も約2兆1000億円の国債を買い入れた。
 ただ、黒田東彦総裁が4月8日に任期満了を迎えることもあり、大規模緩和がいずれ縮小に向かうとの見方は強まる一方だ。市場では、今回の会合でも金利の上限を再び引き上げるとの観測がくすぶっているが、それでも「売り圧力の強い状態が収束するのは難しい」(みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジスト)とみられており、日銀は難しい判断を迫られる。

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