部活指導者どう確保 顧問の休日負担を軽減―地域住民ら活用

東京, 5月08日, /AJMEDIA/

 中学校の部活動をめぐり、顧問を務める教員の負担が深刻な課題となっている。スポーツ庁は、顧問の代わりに住民らが指導者となる「地域移行」を進め、指導者の人件費補助などを行っている。ただ、地域によっては人材確保が難しい上、指導者の能力を保証する仕組みも求められる。
 顧問を務める教員にはわずかな手当しか付かないが、日本スポーツ協会(JSPO)の調査によると、1週間に10時間以上活動している運動部は5割を超える。また、顧問の3割は経験のない競技を担当し、指導力不足に悩んでいる。
 そこで同庁は公立中学校の休日の部活について、2023年度から段階的に民間指導者が担う体制へ移行させる。指導者は保護者や教員OBら地域の有志に加え、フィットネスクラブ社員やプロチームの選手らを想定。21年度からモデル校を選定し、人件費や練習会場費を補助している。
 モデル校の一つである岐阜県羽島市立竹鼻中学校は、21年4月から地域移行を始めた。保護者や元保護者、大学生らが有償で指導する。競技経験のある人や、少年野球の監督など地域のスポーツ活動に携わってきた人ばかりで、市の担当者は「面接をしたり資格を持っているか確かめたりして、素人の指導にならないようにしている」と話す。
 野球や陸上、柔道など9競技で約300人の部員が活動。市の調査では、部員の8割が満足しており、「技術が向上するようにコーチが詳しく説明してくれる」「今までと変わらず活動できる」といった声が上がっているという。
 ただ、スポーツ庁によると、「地域移行したいが、指導者が見つからない」という学校も多く、特に過疎地やマイナー競技で確保が難しい。また、指導者には知識や技術だけでなく、教育者としての能力も必要だ。同庁の有識者会議は4月、民間指導者が率いる中学生チームが公式大会に出る場合、JSPOの指導者資格の取得を義務付けるよう提案しており、対策が求められる。

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