近く追加発射か 「監視の目」実用化狙う―北朝鮮

東京, 6月1日, /AJMEDIA/

【ソウル時事】北朝鮮は31日、「衛星打ち上げ」を名目とした長距離弾道ミサイルの発射に失敗したことをすぐに認め、「早期に2回目の発射を行う」と表明した。金正恩朝鮮労働党総書記は「先制的な軍事力の強化」に向けて偵察衛星の実用化を狙っており、北朝鮮が通告した6月11日午前0時までの期間に追加発射に踏み切る可能性がある。
北朝鮮、「衛星打ち上げ」失敗 事実上の弾道ミサイル―「早期に2回目」表明

 朝鮮中央通信は発射から約2時間半後に「軍事偵察衛星の発射時に事故発生」と題する記事を配信。2段目エンジンが正常に機能せず「墜落した」と伝え、原因を調査し再度の発射を近く行うと強調した。
 北朝鮮は2012年4月の発射でも直後に失敗を認めた。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は「透明性があると見せ掛け、発射の正当性を示す意図がある」と分析する。
 北朝鮮が偵察衛星の運用を目指すのは、米韓を監視する「目」を獲得したいからだ。朝鮮労働党中央軍事委員会の李炳哲副委員長は29日の声明で、米軍などの動きを「リアルタイムで追跡、監視、判別」するために偵察衛星が「不可欠」だと主張した。
 ただ、北朝鮮が次の打ち上げに成功したとしても、偵察衛星の性能は低いもようだ。国情院は、北朝鮮の偵察衛星「万里鏡1号」の解像度はせいぜい1メートル程度の物体を判別できる程度で、「初歩的な偵察任務だけが可能」と指摘する。
 また、衛星1基だけでは米韓の動向を常時把握するのは困難で、今後も北朝鮮による発射が続くという見方がある。北朝鮮は「多様な偵察手段」の試験を行う意向を示しており、長期的視点で情報収集体制の構築に取り組んでいくとみられる。

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