転換期の「父」に チャールズ新英国王

東京, 9月10日, /AJMEDIA/

 3歳で王位継承権第1位の身となり、70年に及んだエリザベス女王の治世を経て、即位した。皇太子時代のダイアナ元妃との離別や、カミラ夫人との再婚をめぐり、世論は大きく揺れ動いた。祖国は欧州連合(EU)から離脱し、対外情勢も大きく変わるなど、歴史的な転換期を迎えている。国民が一つにまとまり、激動の難局を乗り切る上で、新国王には「国父」の役割が期待されている。
 1948年11月、エリザベス王女(当時)の長男としてロンドンのバッキンガム宮殿で生まれた。王位継承者は専属の家庭教師の下で学ぶのが英王室の伝統だったが、一般の学校に通い、公的教育を受けた。父フィリップ殿下も学んだ北部スコットランドの名門寄宿校に入った後はトリニティ・カレッジ(ケンブリッジ大学)に進み、歴史などを専攻した。
 81年7月、ダイアナ妃と結婚。ロンドンのセントポール大聖堂で執り行われた結婚式は世界にテレビ中継された。翌年6月に長男ウィリアム王子、84年9月には次男ヘンリー王子が生まれたが、婚前からのカミラ夫人との交際を継続。92年12月にダイアナ妃との別居が公表された。
 96年8月にはダイアナ妃と離婚。その1年後、元妃がパリで自動車事故で死去すると世論の風当たりは強くなった。しかし、女王を支えて日々公務にいそしみ、2人の息子を愛情深く育てる姿に国民の支持も徐々に回復に向かっていった。2005年4月にはカミラ夫人と再婚。ウィリアム王子ら他の王族と比べて人気が高いとは言えず、「国民との距離」が課題だ。
 環境保護や気候変動問題に関心が高く、国際会議の場などで各国に取り組みを促すなど熱心に活動。「政治介入」とも受け取れる発言もしばしばあり、ロシアによるウクライナ軍事侵攻について「残虐な侵略だ」と非難したほか、14年にロシアがクリミア半島を併合した際もプーチン・ロシア大統領をナチス・ドイツ総統ヒトラーになぞらえ、プーチン氏から「受け入れ難い。王室らしくない言動だ」と反発を招いた。
 趣味は絵画やスキー、ポロ。無農薬農園を営んでいたこともある。73歳。

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