賃上げ中小の設備投資支援 固定資産税を軽減―政府・与党

東京, 12月4日, /AJMEDIA/

 政府・与党は3日、中小企業の設備投資にかかる固定資産税を軽減する調整に入った。賃上げに積極的な企業は減税規模をさらに拡充する方向。原材料価格の高騰で中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、税制で手厚く支援する必要があると判断した。12月中旬に取りまとめる2023年度与党税制改正大綱に特例措置を盛り込むことを目指す。
 与党税制調査会の幹部は「中小企業の生産性向上と賃上げの好循環を生み出す必要がある」と強調。ただ、政府内には「地方税収の減少につながる」(総務省関係者)と制度創設に慎重な意見もあり、折衝は終盤までもつれる公算が大きい。
 現在も、中小企業が新たに投資した設備にかかる固定資産税を3年間軽減する特例措置がある。減税幅は2分の1~全額の間で、各自治体の判断で決める。23年3月末の期限で廃止されるため、政府・与党は新たな軽減措置を設ける方向で調整しており、賃上げを条件に軽減幅を上乗せできるようにする案がある。減税幅や優遇期間など制度の詳細を詰め、大綱に盛り込みたい考えだ。
 固定資産税の特例は企業所得に課税する法人税の優遇措置とは異なり、赤字企業でも恩恵を受けられる利点がある。中小企業庁によると、18~21年度に約5万社が現行の固定資産税の特例を活用しており、計約2兆円の設備投資につながったという。

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