護憲、改憲両派が集会 防衛力強化巡り互いに訴え―憲法記念日

東京, 5月4日, /AJMEDIA/

政府が安全保障関連3文書を改定し、防衛力強化や防衛費増額を打ち出す中で迎えた憲法記念日の3日、憲法改正に賛成、反対の立場を取る団体が東京都内でそれぞれ集会を開いた。
 江東区の東京臨海広域防災公園では、護憲派の「憲法大集会」が開かれ、主催者発表で約2万5000人が参加。野党幹部や学者らが登壇し、主催団体は「敵基地攻撃能力の保有など、戦争する国への道を突き進んでいる」との声明を出した。
 室蘭工業大大学院の清末愛砂教授は「物価上昇で苦しい生活を強いられる中、5年間の防衛力整備計画の総額が43兆円とされることは、異次元の世界の出来事のようだ」と声を張り上げた。
 東京都八王子市の無職北村正さん(72)は「ミサイル購入や防衛力強化など、きな臭い雰囲気がある。憲法について真剣に考え、子どもや孫に平和な世界を残すために参加した」と語った。
 初めて集会に参加した都内の会社員男性(22)は「同性婚に関する部分など、時代に合わない部分を変えるのは抵抗がない」と話す一方、改憲派の主張について「緊急事態条項を新設したり、9条を変えたりするとどうなるか、現実的に考えられていない」と疑問視した。集会の後、参加者はのぼりやプラカードを手に周辺を行進した。
 一方、改憲派は千代田区の砂防会館別館で「第25回公開憲法フォーラム」を開き、主催者発表で約800人が会場参加した。
 ジャーナリストの櫻井よしこさんは「隣国の韓国は北朝鮮の核攻撃を前に、平和志向外交を180度転換した。日本は根本から変わらないといけない」と指摘。「政府は実りの無い憲法審査会を続けるのではなく、直ちに憲法改正に取り組んでほしい」と要望した。岸田文雄首相も2年連続で改憲に向けたビデオメッセージを寄せた。
 今年で4回目の参加という横浜市の男性会社員(29)は「ウクライナ侵攻や中国の権威主義が問題となる中、国を守る自衛隊の存在感は増している。自衛隊を憲法に明記する改正が必要だ」と強調した。

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