警備の「穴」、偽バッジで露呈 対策強化呼び掛け―警視庁

東京, 9月24日, /AJMEDIA/

 国会議員になりすました無職藤本叶人容疑者(22)が官公庁などへの不法侵入を繰り返していた事件では、偽の議員バッジを見せるだけで庁舎内に入れるという警備上の「穴」が浮き彫りになった。
 衆院事務局によると、議員が日常的に出入りする国会議事堂では、入り口に立つ衛視が全ての議員の顔と名前を記憶した上で、議員バッジをチェックしている。ただ、藤本容疑者はこれをすり抜けたとみられ、担当者は「警察から連絡を受けるまで不法侵入に気付かなかった」と話す。
 国土交通省と農林水産省、文部科学省は議員来訪時の対応について、入館前に民間会社の警備員が議員バッジを確認していると説明。通常は受付で所定の用紙に名前や所属、訪問先などの記入を求めるが、議員については慣例的にこの手続きを簡略化しているという。
 ただ、来訪時は事前に議員側から連絡があることがほとんどで、文科省の担当者は「守衛と情報を共有したり、職員が出迎えたりして対応している」と話す。
 一方、防衛省の市ケ谷庁舎では、事前にアポイントを取らず来訪した議員に対し、入館前に必ず訪問先を確認するなどの対策を以前から取っている。
 警視庁は事件発覚後、各省庁に対し「模倣犯が出る可能性もある」と注意喚起。来訪者に不審な様子がある場合は声を掛けたり、手荷物検査をしたりするなどの対策を強化するよう呼び掛けた。

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