訪日観光消費、5兆円超目指す 円安メリット「最大限還元」―所信表明原案

東京, 9月29日, /AJMEDIA/

 岸田文雄首相が10月3日召集の臨時国会で行う所信表明演説の原案が28日、判明した。新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和することや、急速な円安を踏まえ、「年間5兆円超」の訪日観光客消費を目指す考えを明らかにする。
 2019年に4兆8000億円を超えた訪日客消費は21年、新型コロナの直撃で推計1200億円余りに激減した。首相は10月11日から外国人の個人旅行を解禁することなどに触れ、「円安のメリットを最大限引き出し、国民に還元する」と強調する。
 また、円安を受け、半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰や農林水産業の輸出拡大にも取り組む考えを示す。
 首相は演説で「構造的な賃上げ」を目指すとし、(1)賃上げ(2)労働移動の円滑化(3)人への投資―の一体的改革を行うと表明。企業間、産業間の労働移動円滑化に向けた指針を来年6月までに取りまとめるほか、個人の学び直しに向けた支援策を「5年間で1兆円」に拡充する方針を打ち出す。
 物価高対策では、家計や企業の電力料金負担を緩和するため、「前例のない思い切った対策を講じる」と強調。個人がフリーランスとして安定的に働ける「法整備」に取り組むほか、「2年でアナログ的規制を一掃する」考えを示す。
 一方、安倍晋三元首相の国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題で内閣支持率が急落したことを踏まえ、「信頼と共感の姿勢を大切にしながら、正道を一歩一歩前に向かって進んでいく」と理解を求める。

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