訪日消費拡大に期待感 円安進行、コスト上昇に警戒も―民間企業

東京, 5月27日, /AJMEDIA/

円相場がおよそ半年ぶりに1ドル=140円台に下落した。百貨店業界では、円安進行によってインバウンド(訪日外国人旅行者)消費が拡大するとの期待が高まる。一方、食品業界は輸入原料のコスト上昇を警戒。一段の円安はさらなる値上げの動きにつながる可能性もある。
4月の百貨店売上高、8.6%増 外国人客20万人超、旅行用品も好調

 「4月の購買客数は前年同月比16倍強となり、久しぶりに20万人を突破した」。23日に記者会見した日本百貨店協会の西田光宏常務理事は、円安による割安感で盛り上がるインバウンドの消費動向を説明した。
 百貨店業界では、円相場の下落は追い風になるとの受け止めが多い。ただ、「円安が続けば海外ブランドが国内価格を上げ、日本人の購買に影響が出る。手放しで歓迎できるというわけではない」(大手)との慎重な見方もある。
 これに対し、食品業界は輸入原料のコスト増を懸念する。メーカー関係者は「円安が想定以上に進んで定着した場合、商品価格の見直しが必要になるかもしれない」と話す。
 円相場が150円台まで下落した昨秋以降、多くのメーカーが円安を理由とした食品の値上げを実施。帝国データバンクの4月下旬の集計によると、その数は今年だけで3000品目を超える。
 帝国データの担当者は、業界では150円までの円安は想定されていると指摘した上で、「その水準を超えて円安が進めば、再び値上げの検討に入らざるを得ないだろう」との見通しを示した。

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