英・ポーランドが主力戦車供与へ ウクライナ、西側に同調促す

東京, 1月16日, /AJMEDIA/

ポーランドと英国が主力戦車をウクライナに供与する方針を表明した。西側諸国がこれまで供与に慎重だった攻撃力の高い兵器が仮に投入されれば、ウクライナが勢いづく可能性がある半面、戦闘が泥沼化する懸念もある。
 ポーランドのドゥダ大統領は11日、ウクライナ西部リビウを訪れ、ゼレンスキー大統領らと会談した。会談後、「国際的な枠組み」を通じ、ドイツ製主力戦車「レオパルト」を供与する用意があると表明。ゼレンスキー氏は「われわれはロシアの数千台もの戦車と戦っており、1国だけでは『レオパルト』の(供与)支援はできない」と強調し、西側による共同支援を求めた。
 ウクライナでは南・東部で激戦が続く。ロシア軍は東部の激戦地バフムト近郊の町ソレダルを12日に掌握したと宣言し、再び攻勢に出る兆しがある。徹底抵抗を続けるウクライナは、局面打開へ高性能の兵器支援を訴え続けていた。
 こうした中、西側では年明け以降、主力戦車を含めた軍用車両支援の動きが活発化。英首相官邸は、スナク首相が14日、ゼレンスキー大統領との電話会談で、英主力戦車「チャレンジャー2」を含む支援強化の方針を伝えたと発表。戦車は数週間以内に14両が供与されるという。フィンランドのニーニスト大統領も地元メディアに対し、幅広い国々が提供するなら、少数のレオパルトを供与できると語ったと報じられる。
 ただ、レオパルトのウクライナ供与には、製造を手掛けるドイツの承認が必要で、実際に供与に至るかは未定だ。ロイター通信によると、西側諸国の大半は、戦車や重火器を国外に供与する余力が不十分なのが現状だ。戦車を増産できたとしても、出荷まで少なくとも2年かかる可能性もあるという。
 ウクライナへの軍事支援強化を巡っては、米主導の国際会議が20日にドイツで開かれる。支援強化はロシアのプーチン大統領を刺激し、戦闘の泥沼化につながる恐れもある。西側が主力戦車を含め、どこまで支援を強化できるかが焦点となる。

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