自転車「畳まず乗車」後押し サイクルトレイン・バスで手引―国交省

東京, 6月4日, /AJMEDIA/

国土交通省は、自転車を解体したり折り畳んだりせずそのまま車両内に持ち込める「サイクルトレイン」と「サイクルバス」の導入を後押しするため、手引を作成した。鉄道、バス事業者や沿線自治体の参考にしてもらう。安全対策のほか観光や日常利用につながっている全国の好事例を紹介している。
サイクルトレイン、路線拡大中 愛車と同乗、旅客増狙う―鉄道各社

 サイクルトレイン・バスは観光客の呼び込み効果が期待でき、政府の自転車活用推進計画の中でも「実施すべき施策」と位置づけられた。欧州などで一般的だが、国交省自転車活用推進本部によると「日本ではまだ事例が少ない」(担当者)。
 手引では、電車、バスと自転車の連携について、「移動範囲が広がると同時に輸送量の拡大にもつながるため、利用者と事業者の双方にメリットがある」と強調。観光目的で導入する場合、スポーツ用や街中用など多様な自転車を想定して動線を確保することや、車内の置き場を検討することなどを呼び掛けている。日常利用については、混雑時のルールやマナーの啓発が必要とした。
 その上で国内の鉄道5事業者とバス3事業者の導入事例を紹介。群馬県の上毛電鉄はサイクルトレインを導入した2003年以降、自転車を持ち込む人が年々増え、20年は年間4万人以上に上った。観光のほか、地域住民の買い物目的にも広がっているという。
 島根県の一畑電車は駅構内にレンタサイクルや荷物託送サービスを設けるなど、周遊しやすい仕組みを構築。北海道の宗谷バスは路線バスを改造し、後部座席スペースに自転車10台を収納できるようにした。22年は6~9月に期間限定で運行し、観光需要の喚起につながった。
 手引には、全国の導入事業者の路線リストも掲載。各路線について平日、土日それぞれの運行状況や持ち込み料金などが分かるようにした。

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