自民、「激戦」1人区注力 立・維、比例票競り合い―参院選終盤【22参院選】

東京, 7月4日, /AJMEDIA/

 参院選は10日の投開票まで1週間を切った。自民党は勝敗を左右する全国32の「1人区」のうち21で戦いを有利に進める。残る11の中の激戦区に党幹部らを投入して支援に全力を挙げる。立憲民主党も接戦の1人区に資源を集中。比例代表では、日本維新の会と「野党第1党」の座をめぐり、激しく競り合う。
 岸田文雄首相(党総裁)は3日、東京都内の街頭演説で「成長と分配に配慮した経済政策を進める。課題に向き合い、あすを切り開けるのは自民党しかない」と強調。この後、北海道でも支持を呼び掛けた。
 自民党は厚い保守地盤の北関東や北陸、西日本の多くで野党陣営を引き離す。「複数区」も堅調で、千葉、東京、神奈川は2議席獲得が有力だ。ただ、物価高騰に対する政権への批判は懸念材料。緩みを警戒し、引き締めを図る。
 複数の党関係者によると、1人区では新潟と沖縄を重視している。首相周辺は両選挙区を念頭に「当選ラインぎりぎりの場所へ首相を入れたい」と語った。首相は4日夜、茂木敏充幹事長ら党幹部と会談し、「重点区」の決定など最終盤の戦略を練る。
 公明党は七つの複数区で全員当選を目指す。当落線上の兵庫では、同党候補に推薦を出した自民党にも応援を要請。安倍晋三元首相や菅義偉前首相を招いた。岸田首相も7日ごろに現地入りして支持を呼び掛ける予定だ。
 昨年の衆院選と同様に議席を伸ばしそうなのが維新。「全国政党」への足掛かりを得ようと近畿だけでなく、首都圏にも相次いで擁立した。松井一郎代表(大阪市長)らが集中的に支援しており、比例では改選3議席からの倍増もうかがう。
 これに対し立民は、野党共闘が崩れた影響で苦戦が目立つ。京都は5選を目指す福山哲郎前幹事長が抜け出せていない。神奈川は擁立した候補2人が共倒れする可能性があり、支援を一方に集中させることも検討する。
 選対幹部は、新潟や長野など現職のいる五つの1人区を含め「泉健太代表らが毎日どこかに入るようにする」と語った。比例に関しても上積みが課題で、同党は情勢調査を都市部で実施する。党幹部は「最終盤は東京などで比例票対策が必要かもしれない」と語った。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts