東京, 5月09日, /AJMEDIA/
スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ首相は8日、仏教の聖地の一つである世界遺産の古都、北部アヌラダプラを訪れた。久しぶりに公の場に姿を現したが、罵声を浴びる結果となった。スリランカでは今年に入り、経済状況の悪化で首相一族の退任を求める抗議デモが全土で激化している。
スリランカではここ数カ月、停電が続き、食料や燃料、医薬品が極度に不足している。首相が訪れたアヌラダプラの寺には、仏陀(ぶっだ)が傍らで悟りを開いた菩提(ぼだい)樹の枝を植樹したと伝えられる樹齢2300年の木がある。
現場に集まった数十人の男女はプラカードを掲げ「泥棒」を聖地に入れるなと訴えた。参加者は首相に「辞めていなくなれば、あなたを崇拝する」と叫んだ。
首相は6台の車列を組んで聖地入りしたが、当局によると、帰りはヘリコプターだった。重装備の特殊部隊が展開し護衛した。
仏教徒が多数を占めるスリランカで、アヌラダプラ訪問は権力維持へ首相一族の執念を示す行為となる。シランティ首相夫人も、自らはキリスト教徒にもかかわらず、ヒンズー教の寺院を訪れ助力を請うたと伝えられている。
首相の弟ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は3月末、最大都市コロンボにある私邸を群衆に囲まれて以来、公の場に姿を現していない。首相官邸前でも4月から大勢が座り込みを続けている。