老かいリネールに屈す 斉藤「相手の土俵」―世界柔道

東京, 5月14日, /AJMEDIA/

壁は高く、初対戦では越えられなかった。斉藤は五輪金メダル2度のリネールに準々決勝で屈し、「思い切って臨んだが、敗者がしゃべることはない」。気持ちの整理がつかないようだった。
 けんか四つで釣り手を互いに引き付ける中、圧力をかけて自ら前に出た。相手にまず指導が入り、内股で崩しかける場面も。だが、百戦錬磨の34歳は老かいだった。襟を持たれて道着をかぶせるように頭を下げさせられた。延長に入ると膝をつくようになり、「相手の土俵だった」。7分半を過ぎたところで無情にも三つ目の指導が入った。
 初出場だった昨年は2位。決勝で相手の技を警戒して前に出られず経験不足を思い知った。それから約7カ月、膝や足首の故障で立ち技の稽古が積めなくても、組み手や寝技を研究した。国士舘大の吉永監督は「できることに特化して、徹底してやった。柔道はより磨かれた」と話し、教え子の進化を感じていた。
 目標とする来年のパリ五輪金メダルへ、リネールは避けて通れない。「相手の弱点と自分の弱さをもう一回見つめ直す」と誓った。成長する時間はまだ残されている。(ドーハ時事)

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