経済低迷、援助に依存 大統領宮殿は中国建設―東ティモール独立20年

東京, 5月21日, /AJMEDIA/

東ティモールは20日、独立から20年の節目を迎えた。人口130万人の小国は経済が低迷し、インフラ整備から人材育成までを外国の援助に大きく頼る。大統領宮殿と外務・国防両省は中国が建てた。専門家は「中国の援助は発展に貢献していない」と指摘。日本は人材育成の拡充を期待されている。
 世界銀行の統計によると、東ティモールは独立した2002年、人口が92万人余、国内総生産(GDP)は約4億6900万ドル(約604億円)だった。20年にはそれぞれ131万人余と約19億ドル(約2448億円)に増えたが、GDPは世界で下から26番目に少ない。
 NGOラオ・ハムトゥックが昨年6月にまとめた報告書によると、中国は15年までの10年間で東ティモールに8800万ドル(約113億円)を無償援助した。外国からの援助の3%にすぎないが、その資金で大統領宮殿と外務・国防両省が建てられた。
 ただ、3施設の建設を含め、援助額の99%は中国の企業と労働者に支払われており、「東ティモールの経済と発展にほとんど寄与しなかった」と分析した。また、中国企業への支払総額は独立以来13億ドル(約1675億円)超で、受けた援助の約15倍に上る。
 日本は19年までの20年間に344億円余の資金を無償供与。国立大工学部の新校舎建設とフェリーターミナル改修に充てられたほか、長さ250メートルの橋や学校16校、公共診療所9カ所が新設された。ソフト面でも、人材の派遣や留学を通じて工学部の教育能力を向上させた他、在東ティモール日本大使館は「洪水からの復旧で、失業者を雇って日当や食料を支給する事業は好評を得た」と話す。
 元財務省顧問でジョアオ・サルダナ大学のサルダナ学長は、時事通信の取材に「日中両国による支援の重要性はほぼ同じ」と指摘する。「中国は大小さまざまなビジネスに関与する一方、日本は技術者の人材育成に力を入れている」と解説した上で、日本には支援対象の拡大を求めた。

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