米FRB、当面利上げ継続へ 雇用統計で早期停止観測後退

東京, 2月6日, /AJMEDIA/

3日公表された1月の米雇用統計では、失業率が3.4%と、1969年5月以来約53年ぶりの低水準を記録した。景気動向を反映する非農業部門の就業者数も前月比51万7000人増と、伸びが市場予想の3倍近くとなり、米労働市場の著しい強さが改めて示された。市場では、連邦準備制度理事会(FRB)が当面利上げを続けるとの見方が広がっている。
 パウエルFRB議長は1日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「インフレ低下のプロセスが始まった」と発言。FRBが早期に利上げを停止するとの観測が浮上し、円高・ドル安が進んだ。
 だが、最新の雇用統計で「労働市場はなおも過熱している」(米ストラテジスト)状況が判明。市場ではFRBが0.25%の利上げを少なくともあと2回行うとの見通しが強まり、一転円安となった。
 米国の雇用情勢は昨年12月時点で、失業者1人に対して求人が1.9件もある「超売り手市場」だ。FRBは「労働市場は引き続き需給バランスを欠いている」(パウエル氏)と分析。インフレが低下基調にあるとはいえ、人手不足による賃金上昇が接客などサービス分野の価格を押し上げていると警戒する。
 雇用統計は、FRBの急ピッチの利上げにもかかわらず、米労働市場は想定ほど失速しておらず、インフレ圧力も容易には緩まない可能性を示唆した格好だ。
 サンフランシスコ連邦準備銀行のデイリー総裁は3日のテレビインタビューで「(雇用統計は)驚きの数字だったが、労働市場の傾向に驚きはない」と強調。「(FRBは)必要なら、より多くの利上げを行う用意がある」と明言した。

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