米欧との関係一段と悪化 デモ強硬対応、風刺画問題も―イラン

東京, 1月12日, /AJMEDIA/

イランと米欧の関係が一段と悪化している。核開発やウクライナ侵攻を続けるロシアへのドローン供給を巡る対立に、イランで昨年9月に始まった抗議デモへの強硬対応が拍車を掛けた。仏メディアでの最高指導者ハメネイ師の風刺画掲載もイラン側の強い反発を招いている。
 国営イラン通信によると、イランでスカーフの強制着用問題をきっかけに昨年9月に始まった抗議デモを巡り、これまでに4人の死刑が執行された。司法当局は4人が治安要員に危害を加えたと説明して正当化するが、米欧は「残忍な弾圧」(米国務省報道官)、「自国の若者を殺害する体制に未来はない」(ドイツのベーアボック外相)と非難した。
 だが、AFP通信によれば、これまでに少なくとも17人がデモ関係で既に死刑判決を言い渡されている。イラン当局はデモ隊に心理的圧力をかけるため、今後も執行を続ける公算が大きい。
 一方、今月4日付の仏風刺週刊紙シャルリエブドは、デモ支援の一環としてハメネイ師をやゆする風刺画を掲載。イラン政府は「侮辱的で下品だ」(アブドラヒアン外相)と怒りをあらわにしており、イラン国内では保守派の抗議行動も展開された。ハメネイ師は9日、米国や一部の欧州諸国がメディアなどを通じて「(イランの)人々を(デモに)駆り立てようとする」と主張した。
 イラン政府は昨年、国内で深刻化する経済苦境の打開に向け、米国などによる制裁解除のための核合意再建への意欲を重ねて示してきた。しかし、年明けから関係悪化が進み、再建交渉で具体的な進展を図るのは困難な状況だ。

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