空母「福建」、年内に試験航海か 中国、3隻体制で海軍力誇示

東京, 5月4日, /AJMEDIA/

【北京時事】中国3隻目の空母「福建」が年内にも試験航海を行い、来年就役するという見方が出ている。習近平指導部は台湾有事も見据え、海軍力増強を内外に誇示。「空母3隻体制」の早期実現を目指している。
 国営中央テレビは4月23日の海軍創立記念日に先立ち、福建が動力や係留の試験を実施したと報じた。就役し戦力化することで「空母3隻時代にまい進する」と強調。その上で、中国は海洋面積が広く3隻では需要を満たさないとして、「新たな空母を建造し続けるだろう」と伝えた。
 中国の軍事専門家・宋忠平氏は共産党機関紙系の環球時報に対し、動力などの試験について「試験航海に向けて、十分な準備ができていることを証明した」とコメント。早ければ今年後半に試験航海が行われるという見方を示した。
 福建は昨年6月に進水した。配備済みの「遼寧」と「山東」はそり上がった甲板から艦載機が発艦する「スキージャンプ式」だが、福建は艦載機を効率的に射出する電磁カタパルトを初めて搭載。武器や燃料を満載した艦載機や、重い哨戒機の運用が可能になり、攻撃・防御能力が大幅に向上する。
 一方、電磁カタパルトの運用は高度な技術が必要で、福建を実戦に投入できるようになるまでには時間がかかるという見方が大勢だ。艦載機の開発やパイロットの育成などの課題も多い。
 海洋権益拡大を目指す習指導部は、海軍力増強を進めている。4月には山東が西太平洋の台湾に近い海域などで軍事演習を実施し、2019年の就役後初めて遠洋での訓練が確認された。専門家は中国紙に「『台湾独立』勢力を包囲し、日米など外部からの軍事介入を防ぐ」ために重要な海域だと指摘した。

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