牧野富太郎が命名の水草「ムジナモ」 野生で新たに確認 石川

東京, 5月2日, /AJMEDIA/

植物学者・牧野富太郎が命名した植物で、国内ではほとんど見られなくなった「ムジナモ」と呼ばれる水草が、石川県内で確認されました。
野生で新たに確認されたのは73年ぶりだということで、研究者は「環境の変化で絶滅のおそれがある植物が再び姿を現す可能性を示している」と話しています。

発表したのは、国立環境研究所と、中央大学、新潟大学の研究チームで、IUCN=国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定している水草「ムジナモ」が自生しているのを石川県内で確認しました。
「ムジナモ」は、プランクトンなどを捕食する食虫植物で、国内では、日本の植物分類学の“草分け的存在”、牧野富太郎が1890年に東京で発見。
野生動物の「ムジナ」のしっぽに形が似ていることから、和名として名付けられました。

研究チームによりますと、去年10月、石川県内のため池を調べていた際、それまで確認されていなかった「ムジナモ」を見つけ、遺伝子の解析結果などから野生の個体群である可能性が高いと言えるということです。
国内の「ムジナモ」の自生地は環境の悪化や開発などで多くが失われ、確認できるのは国内2か所のみで、新たな自生地が確認されたのは73年ぶりだということです。

研究チームは、種(しゅ)の保存の観点から場所の詳細を公表していませんが、ため池周辺の樹木が取り除かれ、適度な光が差し込んだことで種(たね)が芽吹いた可能性が考えられるということです。

発見した研究チームの西原昇吾さんは「植物は種(たね)の状態で何十年も生きることができるが、発見した時はまさかと思った。環境の変化で数を減らし、絶滅のおそれのある植物が再び姿を現す可能性を示している」と話しています。

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