熱波で水不足 利用制限、熱中症警報―仏英

東京, 8月10日, /AJMEDIA/

フランスや英国がこの夏、再度の熱波に襲われ、水不足が深刻になっている。両国の気象当局によれば、10日から週末にかけて各地でまた高温となる見込み。欧州は7月にも熱波に見舞われ、各地で森林火災に苦しんだ。異常気象や環境への意識の高まりは秋の欧州政治に微妙な影響を与える可能性もある。
 再度の熱波襲来を受け、フランスでは各自治体の水不足警戒レベルごとの利用制限が拡大した。英国では9日、健康安全保障庁が14日まで熱中症に警戒するよう警報を出し「水分を摂取し、室内を涼しく保つように」と呼び掛けている。
 仏気象局によれば、10日から13日にかけて各地で気温は上昇し、南西部では40度に達する見通し。仏環境省によると、8日時点で仏本土96県中93県で水の利用が制限されている。地域によって自宅での洗車や庭での散水が禁止され、違反すれば罰金が科される恐れがある。
 一方、一部のスポーツ施設では芝生への散水が認められ、ゴルフ場がやり玉に挙がっている。南東部グルノーブルのピオル市長は環境政党所属。ツイッターで「われわれが倹約を強いられる一方で、裕福な人々には便宜が図られている」と非難した。
 英国でも、一部地域で水道管につないだホースを用いた庭の水まきや洗車の禁止など、水の利用制限が拡大中。英大手水道会社テムズ・ウオーターの広報担当者はAFP通信に対し「長期的な乾燥と高温が予想される。近く一時的な利用制限措置を発表する予定だ」と明らかにした。
 市民のいら立ちは強い。英国はジョンソン政権が倒れ、9月に新首相が誕生するが、新政権への視線も厳しくなる可能性がある。マクロン仏大統領は6月の総選挙で国会の多数派を失った。環境派が勢いづく場面が増えるかもしれない。

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