景気本格回復へ課題山積 ゼロコロナ終了2カ月―中国

東京, 2月8日, /AJMEDIA/

中国が新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を終了して7日で2カ月。直後こそ感染爆発が起きたものの、今年に入って状況は落ち着きつつあり、生産などの経済活動もほぼ正常化した。ただ、不動産不況が続いているほか、若者の失業率も高止まりしており、景気の本格回復へ課題は山積している。
 「中国は感染の問題に正面から向き合ってきた」「経済の先行きは明るい」。共産党機関紙・人民日報は6日の紙面で、中国に住む外国人の声を紹介し、防疫政策を自画自賛した。中国では全人口の8割が感染済みとされ、新型コロナは「過去の話」(地元企業関係者)との受け止めが広がる。
 春節(旧正月)を締めくくる「元宵節」の5日。北京市郊外の公園では屋台が並び、多くの人でにぎわった。文化観光省によると、春節期間中の国内旅行者数は前年比2割以上増えた。生産活動も回復し、国家統計局が発表した1月の製造業景況感は4カ月ぶりに景気拡大を示した。
 しかし、先行きを手放しで楽観する向きは少ない。最大の課題は、関連産業を含めると国内総生産(GDP)の約3割を占めるとされる不動産業の低迷だ。不動産市場は当局がバブル抑制を狙って事業者への融資規制を強化したことを受けて悪化。最近は規制を緩めつつあるものの、市場の不振に歯止めは掛かっておらず、「当面は厳しい局面が続く」との見方が根強い。
 若者の雇用情勢も悪化している。3年に及んだゼロコロナで経済が停滞する中、若者の失業率は一時2割近くまで上昇。世界的な景気減速を受け、輸出にも陰りが見え始めた。政府の新車購入支援策の一部が昨年12月に終了したこともあり、車の販売も低迷。米国が主導する対中経済制裁の強化も懸念材料となっている。
 野村ホールディングスはリポートで、感染の落ち着きなどを背景に2023年の中国の成長率予想を4.8%から5.3%に引き上げた。しかし、「過度な楽観はしていない」とも強調した。

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