普及への礎となるか アフリカで84年ぶり開催―世界卓球

東京, 6月2日, /AJMEDIA/

5月に南アフリカのダーバンで行われた卓球の世界選手権個人戦。アフリカ大陸では1939年エジプト大会以来の開催となった大会期間中、会場には地元の子どもが連日招待され、卓球台で見よう見まねで楽しむ姿があった。競技が盛んではない大陸での実施について、国際連盟のソルリング会長は「歴史的な意義があった」と強調した。
 過去の大会は主にアジアと欧州で行われてきた。「卓球は世界のどこでもできる。より多くの人に知ってもらうことが重要」と会長。2021年には米大陸初となるヒューストン(米テキサス州)で開催するなど、国際的な普及に力を入れている。
 卓球はアフリカに根を張ることができるのか―。16年リオデジャネイロ五輪の男子シングルスで8強入りするなど、アフリカの第一人者として活躍してきたアルナ(ナイジェリア)は「資金面の援助がないと難しい」と指摘。大会の数も限られ、「素質のある選手はたくさんいるのに、これではなかなか育たない」と漏らした。
 南アフリカの男子代表を約20年指導してきたジオロジオロ氏は「この国にはクラブチームがほとんどなく、多くは学校で練習するしかない」と現状を説明する。「指導者も1日に1時間しか教えられない。3時間以上付き合う人がいても毎日はできない。これは大きな課題だ」
 環境面の整備は容易ではない。それだけに、今大会が普及の契機になればと願う。この1年ほどで地元メディアも卓球を扱うようになり、「他のスポーツと同じようにテレビで見られるなんて信じられない。新たな動きが始まった」。今後の国際大会の放映も決まっているという。
 次回25年大会は、04年団体戦以来となる中東カタールが舞台。会長は「新しい市場を開拓するのには時間がかかるが、世界中に広めていきたい」。競技の未来に思いをはせた。(ダーバン時事)

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts