旧統一教会問題で国会調査委要求 野党、自民点検「なお疑念」

東京, 9月10日, /AJMEDIA/

 自民党が公表した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と同党所属国会議員の接点に関する点検結果について、立憲民主党の泉健太代表は9日の記者会見で、実態解明には程遠いとして、国会への関連調査委員会設置を求める方針を明らかにした。自民党は公表で一定の区切りを付けたい考えだが、早期収束は見通せない状況だ。
 泉氏は会見で、自民党の点検結果に関し「国民の疑念を解消するだけの報告になっていない。調査能力不足を宣言したに等しい」と批判。かつて国会に東京電力福島原発事故調査委員会が設けられたことを念頭に、「国会に調査委を設置するのは至極まっとうだ。(自民党は)ぜひ同意してほしい」と迫った。
 自民党は対象議員379人のうち179人に教団との接点があったと発表したが、泉氏は「179人以外は本当に何の関係もないのか、まだまだ不透明だ」と指摘。岸田文雄首相が安倍晋三元首相の調査を「限界がある」と拒んでいることを「何も取り組んでいない。限界ではない」と切り捨てた。立民関係者は「ここからスタートだ。徹底追及する」と話した。
 国会での調査要求は他党からも出された。共産党の田村智子政策委員長は記者会見で「(旧統一教会が)事実上野放しにされてきたのはなぜか、責任を持った調査を国会は行うべきだ」と語った。
 自民党の点検は各議員の自己申告ベースだった。名前の公表は、つながりが深いと執行部が判断した121人のみで、教団関連イベントに出席していた細田博之衆院議長、教団票を差配していたとされる安倍氏は調査対象に含まれない。
 公表から一夜明け、具体的な疑問点も浮かびつつある。教団と同じ関わりを持ったはずなのに、ある議員は名前を公表され、別の議員は公表されていないケースもあった。中堅議員は「地元紙への説明と党への報告が食い違う複数の議員がいる。正直者がばかを見る形になっている」と憤る。
 一方、名前を公表された議員は釈明に追われた。曖昧な説明で批判を浴びてきた山際大志郎経済再生担当相は会見で「把握できたものは全て書いた。率直に反省している。今後は一切関係を持たないよう行動する」と表明。関連団体の会合に会費を払ったことのある寺田稔総務相は「しっかりと被害者を救済していきたい」と強調した。

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