日本の「呼応」期待 韓国、外交成果急ぐ

東京, 5月2日, /AJMEDIA/

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦政権は、岸田文雄首相の7、8両日の訪韓を通じ、批判が強い対日外交で目に見える成果を国民に印象付けたい意向だ。歴史問題に関する岸田首相の踏み込んだ言及といった日本の「呼応」を期待している。
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 韓国政府が3月、元徴用工問題の解決策を発表したのに対し、岸田首相はその後の尹氏との会談で「反省と心からのおわび」や「未来志向」を明記した1998年の日韓共同宣言を含め、歴代内閣の歴史認識を継承すると表明。ただ、韓国側が「呼応」として期待していた謝罪や反省の文言に直接言及しなかったことに韓国の野党は「屈辱外交だ」と反発した。
 尹氏は日本が対韓輸出規制を緩和したことを挙げ、日本も呼応していると訴えているが、対日政策に向けられる国内の不満は根強い。
 尹氏には4月下旬にバイデン米大統領と会談した勢いに乗り、日韓関係改善を確かなものにしたい考えがある。今年後半には、政権の命運が懸かる来年4月の総選挙に向けた動きが本格化するため、尹政権が早期に対日外交への不満を沈静化させたい思惑も透ける。
 また、夏までに東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が予定され、韓国世論の反発は必至。それまでに日韓の協力関係を軌道に乗せる必要もある。
 しかし、岸田首相の訪韓を巡り韓国国内では「植民地支配の被害者と遺族、韓国国民が納得できる謝罪と反省が必要だ」(韓国日報)との声が支配的。朴振外相もテレビ番組で「両国が新しい未来志向のパートナーシップを作る上で非常に重要だ」と訪韓を歓迎しつつも、「日本の誠意ある呼応が続くと期待している」と語った。
 尹政権の対日政策に関わる専門家は「日本が呼応しなければ政権への批判は強まる。このままでは選挙は厳しい」と指摘し、「日韓関係の今後は日本に懸かっている」と強調した。

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