教訓なき判決「事故また起きる」 闘い継続、決意新た―原告団会見・原発避難訴訟

東京, 6月18日, /AJMEDIA/

 「事故はまた起きる」。原発避難訴訟の原告団は判決後、東京都内で記者会見し、国の責任を否定した最高裁判決に不満をあらわにした。司法判断を容認しない姿勢を鮮明にし、後続訴訟でも闘うと強調した。
 「事故の教訓を導く過程を全く欠いている」。福島訴訟の原告団を率いた馬奈木厳太郎弁護士(46)は最高裁判決をこう批判し、「(国が対策を命じても)結果が変わらないと言うだけでは何の教訓にもならない」と断じた。
 福島県いわき市から前橋市に自主避難し、群馬訴訟で原告団長を務めた丹治杉江さん(65)は、「支援はなく、自主避難はわがままと言われて終わるのかと思うと納得できない」と悔しさをにじませた。「国が責任を取らないなら事故はまた起きるんじゃないか。手の届くところでこの裁判の不正義を伝えていきたい」と語った。
 福島県南相馬市から愛媛県に避難した渡部寛志さん(43)は、避難者救済のスタートとなる勝訴を「子供たちに見せたかった」としつつ、「できることを諦めずに考え抜きたい」と気丈に語った。高校生の長女、明歩さん(17)は「避難者の力になるために頑張ったのに悔しい」と肩を落とした。
 各地の地裁や高裁で係争中の同種訴訟は多い。馬奈木弁護士は「ボールが最高裁から社会に投げ返された。社会が(国に責任はないと)受け入れるかだ。後続の裁判や別の裁判でどんどん追及するしかない」と力を込めた。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts