情報流出、犯罪悪用がリスク AI戦略会議が論点整理―政府

東京, 5月27日, /AJMEDIA/

政府は26日、人工知能(AI)に関する政策の方向性を議論する「AI戦略会議」(座長・松尾豊東大大学院教授)の第2回会合を開き、現時点での論点を整理した。インターネット上の情報を基に文章や画像を作る「生成AI」について、機密・個人情報の流出や犯罪への悪用など7項目のリスクを指摘。同時に、利用や開発の促進に注力することも訴えた。
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 論点整理は、AIが社会にもたらす影響を「産業革命やインターネット革命よりずっと大きなものになる」と分析。急速な少子高齢化などに触れつつ、「社会全体でAIを利用する必要性は論をまたない」と打ち出した。その上で、主に「リスク・利用・開発」の3項目について、政府の対応を求めた。
 リスクに関しては、▽本物と見分けのつかない偽情報▽サイバー攻撃の巧妙化▽生徒・児童の創造力低下▽著作権侵害▽失業者の増加―も列挙。政府に、AI開発者やサービス提供者の法令順守など、必要な対策の検討を要請。利用者のリテラシー(活用能力)向上も促した。
 利用の活発化に向け、医療や介護、行政、教育、金融、製造などの分野を横断するデータ連携基盤を構築し、AIの学習を加速させる重要性に言及。併せて、デジタル人材の育成・確保や、スタートアップ(新興企業)創出の環境整備を盛り込んだ。
 開発については「AIの研究成果が他の分野の研究開発加速に寄与する」と強調。早急に基盤的な研究・開発力を「国内に醸成することが重要」と記した。高速・大容量のGPU(画像処理半導体)確保も求めた。
 会議後、AI担当の村井英樹首相補佐官は記者団に、統一的な事業者向けガイドラインの策定を、関係省庁に指示する意向を示した。近く岸田文雄首相に論点整理を報告。6月にまとめる政府の経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に反映させる。

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