強い雇用、大幅利上げ継続へ 賃金・物価上昇の連鎖警戒―米FRB

東京, 9月4日, /AJMEDIA/

2日発表された8月の米雇用統計では、労働市場の全般的な強さが改めて示された。連邦準備制度理事会(FRB)は人手不足による賃金上昇が、記録的なインフレをさらに押し上げる事態を警戒。今月の次回金融政策会合で大幅利上げを続ける見通しだ。
 「偉大な米国の労働市場は回復を続けている」。バイデン大統領は2日、好調な雇用情勢に胸を張った。8月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比31万5000人増と、市場予想を上回った。11月に中間選挙を控えるバイデン氏は「就任以降、1000万人近い新規雇用が創出された」と成果をアピールした。
 しかし、強い労働市場は、物価安定の回復を目指すFRBにとって必ずしも朗報ではない。米国では、新型コロナウイルス危機後の需要急増に労働力を含めた供給が追い付かず、インフレ率は約40年半ぶりの高水準に跳ね上がった。人手不足が「賃金・物価スパイラル(連鎖的上昇)」を招けば、インフレに歯止めがかからなくなる恐れがある。
 パウエルFRB議長は8月下旬の講演で、「労働市場は需要が供給を大幅に上回り、明らかにバランスを失っている」と懸念。景気悪化による失業者増などの「痛み」をいとわず、利上げを通じて需給を均衡させる意向を表明した。
 20、21両日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、FRBが3会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げを決めるとの観測も浮上する。イエレン財務長官は米テレビのインタビューで「インフレ抑制は明らかに最優先課題だ」と強調。FRBの積極的な金融引き締めを容認する考えを明らかにした。

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