左派躍進、与党過半数が焦点 12日に第1回投票―仏下院選

東京, 6月12日, /AJMEDIA/

フランス国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票が12日、行われる。急進左派「不屈のフランス」創設者のメランション氏が主導する左派連合が支持を伸ばしており、4月に再選されたマクロン大統領を支える与党連合の議席減は不可避の情勢。2期目の政権運営の安定化に向け、与党連合が過半数を死守できるかどうかが焦点になっている。
 メランション氏は、昨年の貿易赤字が過去最大だったことを挙げ、マクロン政権が「経済的大失敗」を演じたと批判。ロシアのウクライナ侵攻などで食料・燃料価格が高騰する中、最低賃金の引き上げや、生活必需品の値上げ禁止を掲げて支持を広げている。
 これに対しマクロン氏は、メランション氏の公約には年間2500億ユーロ(約35兆円)の財源が必要だと試算されていると指摘。「政治ごっこ」はやめるべきだと非難し、「危機に対し真剣に向き合える安定多数の実現を有権者が選ぶよう望む」と呼び掛けた。
 調査会社イプソスが9日に公表した世論調査によれば、現有346議席の与党連合の予想獲得議席数は260~300。最大勢力の座は維持する見込みだが、過半数の289議席に届かなければ、マクロン氏が目指す年金改革の実現には他党との協力が不可欠となる。
 左派連合は175~215議席を得て躍進する見込み。2017年の前回下院選では、左派連合を構成する不屈のフランスの獲得議席は17、社会党は30にとどまっていた。
 下院選は小選挙区制で行われ、任期は5年。第1回投票でどの候補も過半数票を獲得しない場合、選挙区内の登録有権者数の12.5%以上の票を得た候補が19日の決選投票に進む。前回選挙では、第1回投票で当選者が確定したのは4選挙区のみだった。

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