岸田首相、法の支配強調 安保理改革「議論より具体化を」―国連演説

東京, 9月22日, /AJMEDIA/

岸田文雄首相は20日夜(日本時間21日午前)、米ニューヨークの国連本部で国連総会の一般討論演説を行い、国連改革の重要性を訴えた。ウクライナを侵攻したロシアを非難し、「法の支配」の重要性を強調。機能不全が指摘される安全保障理事会の改革で具体的な行動に移るよう各国に求めた。
 首相は演説で「ロシアのウクライナ侵略は国連憲章の理念、原則を踏みにじる行為だ」と名指しで批判。台湾への軍事的威圧を強める中国も念頭に「国連憲章の理念と原則に立ち戻り、法の支配に基づく国際秩序の徹底のため力と英知を結集する時だ」として安保理改革の早期実現を主張した。
 首相は安保理について「しばしば機能不全が指摘され、30年近くにわたり議論を重ねてきたが、本当に必要なのは議論のための議論ではなく、改革に向けた行動だ」と表明。具体策として、改革につなげる決議案提出を念頭に「文言ベースで交渉を開始する時だ」と提案した。
 核廃絶・軍縮への取り組みに関しては、被爆地広島選出の首相として、核廃絶に「現実的な取り組み」を推し進めると説明した。ロシアの反対で合意を逃した8月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に言及し、「最終成果の文書案が、現実的な議論を進めていく上での新たな土台を示した」と期待も示した。
 一方、感染症や食料危機、エネルギー・気候変動問題により、「多くの人々の安全が脅かされ、貧困と疾病が深刻化している」と指摘。「国連と共に人間の安全保障の実現を進め、人への投資を惜しみなく実践していく」との決意を示した。

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