少子化予算、30年代前半に倍増 「こども金庫」で一元管理―政府原案が判明

東京, 5月21日, /AJMEDIA/

政府が検討する「異次元の少子化対策」の財源確保策の原案が20日、分かった。岸田文雄首相が掲げる子ども関係予算倍増は2030年代前半の達成を目指す。関係予算を一元管理する特別会計「こども金庫」(仮称)を新設。24年度から3年間の対策集中期間に、歳出削減を軸に公的医療保険の上乗せ徴収などで年3兆円規模の追加財源を捻出し、その後さらに拡大する。
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 政府は22日に関係閣僚や有識者で構成する「こども未来戦略会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、財源の議論を本格化させる。与党とも財源や対策の内容を詰め、6月にまとめる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」で大枠を示す。
 予算倍増の基準は4月に発足したこども家庭庁の今年度予算4.8兆円とする方向で、巨額の財源が必要だ。政府は集中期間中の財源は増税によらずに捻出する方針。経済界からは消費税を含めた安定財源を検討すべきだとの指摘があり、中長期的には増税が議論となる可能性がある。
 特別会計は「こども金庫」(仮称)とする案を検討。こども家庭庁所管の児童手当や厚生労働省所管の育児休業給付など複数省庁にまたがる予算を一元管理し、給付と負担の関係を「見える化」する。公的医療保険の上乗せ徴収分や、子育て支援などに充てる企業の拠出金、雇用保険の一部など既存の子ども・子育て財源も移管する。
 政府は24~26年度、児童手当拡充など子ども・子育て支援に集中的に取り組む。児童手当の多子加算では、第3子以降について現行の月1万5000円から3万円に倍増する案を検討している。
 集中期間中の年3兆円規模の追加財源は社会保障費を中心とした歳出削減を軸とするが、公的医療保険の上乗せ徴収や企業拠出金の増額も検討。こうした追加徴収にはシステム改修など準備に時間がかかるため、「つなぎ国債」を発行し当面の不足分を賄う方向だ。

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