対中「一体」アピール狙い 岸田首相、待望の訪米会談

東京, 1月14日, /AJMEDIA/

岸田文雄首相は13日(日本時間14日未明)のバイデン米大統領との会談を、東アジアで軍事的威圧を強める中国などに日米一体で対処する方針を内外に示す場と位置付けた。日本の防衛力と日米同盟の強化を政権の「成果」にしたい思惑がにじむ。
 首相は2021年10月の就任時から早期のワシントン訪問を目指してきたが、日程の調整が付かず実現しなかった。結果的に国家安全保障戦略など3文書改定から間もなくのタイミングとなり、政府関係者は「戦略や計画を実行に移すスタート地点になる」と前向きに捉える。米政府は首脳会談に先立ち、大統領は3文書の内容について首相に「全面的な支持」を表明すると明らかにした。
 ミサイル・核開発を着々と進める北朝鮮、ウクライナ侵攻で「力による一方的な現状変更」を試みるロシア。中国と合わせ、日本は「3正面」で対応を迫られる環境にある。
 今回の欧米5カ国歴訪は、5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向けた地ならしが主目的だ。ただ、初のワシントン入りには「強固な日米同盟」のアピールという狙いもあり、首相は「G7議長としての腹合わせ以上の意味を持つ」と語っている。
 首相は昨年5月、大統領を東京に迎えて会談した際、「防衛力の抜本的強化」を図る方針を示した。その後、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有と防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額を決定。13日の会談で「対米公約」を果たしたことを伝える形となった。
 「安全保障をレガシー(政治的遺産)にしようとしている」。政府・与党内にはこうした見方が広がる。
 日米両政府は11日(日本時間12日)、ワシントンで外務・防衛担当閣僚による安保協議委員会(2プラス2)を開催。自衛隊と米軍の一体的な運用を進め、反撃能力を行使する場合の段取りを定めた共同計画を策定することで一致した。
 首脳会談は、これと連続して安保協力の深化を打ち出す機会となる。首相は訪米に先立ち、記者団に「(国際社会の)平和や繁栄に日米がしっかりコミットするという思いを明確に発信する」と意欲を示した。

Follow us on social

Facebook Twitter Youtube

Related Posts