女性抑圧、一層鮮明に 公園立ち入り禁止、就労制限も―アフガン

東京, 12月14日, /AJMEDIA/

アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権が11月以降、女性に対し、公共の場への立ち入りや就労の制限といった措置を相次いで打ち出している。昨年8月の実権掌握直後は女性の権利を「イスラム法の枠内で認める」としていたが、極端なイスラム法解釈を押し進め、権利の侵害がより一層鮮明になってきた。
 「タリバンの下で、女性や少女が事実上、生活の全ての面から組織的に排除されている」。トゥルク国連人権高等弁務官は9日、ジュネーブでの記者会見でそう述べ、アフガンの状況に懸念を示した。
 暫定政権は11月、公園や公衆浴場、スポーツジムへの女性の立ち入りを禁じた。公園については、これまでも利用日を男女で分ける措置が取られてきたが、さらに規制を強めた形だ。AFP通信によれば、「宗教警察」に当たる勧善懲悪省の広報担当者は、公園で男女が混在するなど規則が守られなかったためと理由を説明した。
 近親男性を伴わない女性だけの遠出の制限も続く。女子の中等教育学校への通学も禁じられたままだ。
 経済活動からの締め出しも進む。地元紙ハシュテ・ソブによると、中部ゴール州では官公庁などでの女性の就労に際し労働許可証の取得を義務付けた上、独身女性への許可証発行を拒否した。東部パルワン州では女性の仕立屋に対し店を閉じるよう求めた。
 南部ウルズガン州では、女性の販売員がいないことを理由に、女性への携帯電話SIMカードの販売を禁じた。
 悪化する状況に、女性たちはデモ活動などを通じ抗議の声を上げているが、暫定政権は締め付けを強化。11月3日には、首都カブールで記者会見を開いた著名な女性活動家ザリファ・ヤクビさんを会見中に連れ出し、今月12日に解放が確認されるまで1カ月以上拘束した。国連アフガン支援団(UNAMA)は暫定政権に対し、ヤクビさんと共に拘束された他の活動家の情報を求めている。

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